TSSテレビ新広島

2010年6月度 TSS番組審議会報告

とき:2010年6月21日(月)午前11時

ところ:広島市南区 TSS本社会議室

報告事項

事務局よりBPO(放送倫理・番組向上機構)の活動状況やTSS5月度視聴者対応状況についての報告が行われた。

審議

『第19回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『二つの祖国の間で… -アミーゴ教室から見たニッポン-』
<5月29日(土)午後1時放送>

委員からは

  • 心にしみる番組
  • 地味なテーマだが、好感を持てた
  • 複雑な思いで視聴。考えさせられた
  • ローカル制作で、よくここまでと感心
  • 子どもたちの自然な表情が、よく撮れていた
  • クローズアップする子どもも、よく選ばれていた
  • “日本人は冷たい”という言葉に、胸が絞めつけられた
  • 自分の家族をだぶらせて思うほど感動した。泣かされた
  • 目の付けどころも良く、きちんと手間をかけて制作している
  • 登場人物が多かったが、インサートカットなど丁寧に制作している
  • ナレーションもよく考えられていたし、ナレーターも良かった
  • ナレーションによる結論付けが多過ぎたのでは
  • 時間軸が前後していないので、混乱なく視聴できた
  • 後半の流れがめまぐるしく、追いかけるのが大変だった
  • 3人の子どもたちをクローズアップしながら、現状を織り込んでいく番組構成だったが、適切だったか疑問
  • 番組としての締めもまとめもなく、 “日本人は冷たい”“帰るのが楽しみ”など、相反するコメントの解釈が消化不良
  • “二つの祖国”という言葉からはつらいイメージを、“アミーゴ教室”からは楽しいイメージを連想したが、番組はどちらでもなかった
  • “祖国”という言葉を軽々しく使っていないか。“祖国”とは、精神的な拠り所であり、アイデンティティとしての国に使うべき。経済的利益を得るために来た所に対して使うべきではないのでは
  • 日系労働者を取り巻く厳しい労働環境・経済・政治の問題なのか。日系労働者の子どもたちを取り巻く生活環境・教育の問題なのか
  • 日本人が嫌がる3Kの労働力として外国人を雇いながら、景気が悪くなると切り捨てる日本の政府や企業に対する強い批判のメッセージと受け止めた
  • 日本人労働者も、“派遣切り”などもっと過酷な状況に、追い込まれている
  • 日系1世が悲痛な思いで日本を離れたのに対し、5世は出稼ぎに来た日本で家族を作り、“何のため?”の問いに“子どもに夢を託すため”と答えるその言葉に感動した

などのコメントが寄せられた。

これらの感想や意見を受けて、報道部の大藤潔と船田興起は、

  • およそ9年前から取材。常日頃、地域社会に密着した取材を続けている中で、掘り下げていった結果の番組
  • リーマンショック以後、人を物のように扱い、切り捨てていくことに怒りを持って取材したが、彼らが働いている会社の多くは、2次・3次メーカーで、正社員も大勢やめていく状況だった
  • “帰るのが楽しみ”と答えた子どもの真意はわからない。親を心配させないために不安を隠して言ったのかも知れないが、それ以上踏み込めなかった
  • 状況は変わっておらず、あえて締めをはずした

などとコメントし、活発な意見交換が行われた。

<出席委員>
松浦雄一郎委員長・山田知子委員・池田明子委員・中嶋健明委員 徳永修委員・大野主税委員・石井宏和委員(順不同)
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