2011年4月度 TSS番組審議会報告
とき:2011年4月18日(月)午前11時
ところ:TSS本社会議室
報告事項
事務局よりBPO(放送倫理・番組向上機構)の活動状況やTSS3月度視聴者対応状況の報告があった。次に、編成局より4月番組改編についての説明があった。
審議
『3・11東日本大震災とテレビ放送について』
委員からは
- 的確な報道。見ていて辛いシーンも多かったが、目を離せなかった
- 報道姿勢としては抑制がきいていて良かった。阪神大震災の学習が生かされていた
- 阪神大震災などの経験を踏まえて、スタッフの取材能力が明らかに向上していた。ヘルメットや防災服に至るまでしっかり準備されていた
- 地震発生後、直ちに機動力のある人員を投入し、各社とも生放送で伝え続けた。報道メディアとしてのテレビの威力を見せつけられた
- 初期報道では、テレビの初動の早さと映像の迫力に圧倒された
- おそらく生涯忘れられない映像。投稿された映像も、カメラの性能や撮影技術の向上で、迫力ある映像ばかりだった
- 被災当事者のナマの声は、インパクトがあった
- 映像は臨場感があって伝えやすい反面、煽情的になりやすい。煽りにつながったこともあったのでは
- 同じ情報を伝えても、司会者や解説者の表情やトーンの違いで、受ける印象はまるで異なる。事前の調整が必要なこともあったのでは
- 一部のキャスターにヒンシュクを買うような言動があった
- 初期報道からワイドショーに移行すると、各番組とも同じような場所で同じようなリポートばかりになっていた
- TSSの記者が取材した現地の特集は、広島の人間として感覚的に受け入れやすく、親切な感じがした
- 通常番組内でも、L字画面で情報を流すなど工夫されていた
- 政治的意図による情報規制や情報操作があるのでは。国民が本当に知りたい情報が流されていないのではと疑問を持ちながら見た
- 今回の報道ほど、テレビと新聞の違いを感じたことはない。テレビは断片的な情報が連続して流されるため、どれが最新でどこの情報かわかり辛い。新聞で補充・補完していた
- ACの公共広告は大量に流されたことで批判が多いが、ほっとさせられた部分も大きかったのでは
- “ひとつになろう”“つながろう”“絆”など、各系列でスローガンが違うのは気になる。阪神大震災の“がんばろう神戸”のように統一した方が良いのでは
などのコメントが寄せられた。
これらの感想や意見を受けて、TSS専務取締役メディア本部長・村尾誠太郎は、
- 通常、報道には発生後の第一報があり、さらに続報があって、検証につながっていくが、今回の震災については、いまだに発生と続報が続いている過程の段階であり、検証に至っていない
- 膨大な取材をしており、壮絶・悲惨な映像については放送できないものも多い。最初から煽りはやめようと申し合わせている
- 原発報道に関しては、すべてについて解説できる専門家が現時点ではいないのでは
などとコメントし、活発に意見を交換した。
- <出席委員>
- 松浦雄一郎委員長・大野徹副委員長・山田知子委員・池田明子委員 徳永修委員・村上栄一委員・荒木史子委員・大下洋嗣委員(順不同)