2011年6月度 TSS番組審議会報告
とき:2011年6月20日(月)午前11時
ところ:TSS本社会議室
報告事項
審議に先立ち、本年3月に施行された「新放送法」により基幹放送事業者において「番組調和原則」が適用されることを受け、テレビ新広島としての「放送番組種別の基準・案」「放送番組の編集に関する基本計画・改訂案」について諮問した。委員からは、「バランスを保ちつつTSSの独自性を出すよう心がけて欲しい」などの意見が出され、諮問案どおり答申された。
審議
第20回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『獲っちゃる~広島三栄ジムの挑戦~
<5月28日(土)正午放送>
委員からは
- 長期取材の結果、素晴らしいドキュメンタリー番組となっていた
- 番組から勇気をもらった。地方で生きている者にとってありがたい番組
- とても感動した。登場する人々のコメントも珠玉の言葉の連続で胸に迫った
- ボクシング一筋に生きてきた会長の人を見る目の確かさ、指導者としての素晴らしさが伝わってきた
- どこにでもいるような若者の心のひだが見事に描かれていて、中広選手の人間的成長の過程が良くわかった
- 夢を追う限り、成功もあれば挫折もある。結果だけにこだわらず、過程に重きを置いた点が良かった
- 人生の哲学を感じた。“自分のため”から“人のため”へ育ったところが大きい
- 良い意味で、特別な興奮や過剰な感激などなく見られた。生き方について、自分と照らし合わせながら考えさせられた
- ボクシングには詳しくないが、内藤大助選手の登場で、レベルの高さが良く分かった
- 以前見た中広選手の番組は、中広選手だけの話に終始していたが、今回は、会長のほか中広選手を取り巻くいろんな人を登場させたことで、感動を呼ぶ作品になっていた
- さらっとした番組の締めくくりも、爽やかで良かった
- 続編を見たい
- リングに語らせた河原さぶさんの広島弁のナレーションが良かった。声質もぴったり
- タイトルを『獲っちゃれ』ではなく『獲っちゃる』にしたのは、主役を中広選手にするか会長にするかの迷いがあったのでは
などのコメントが寄せられた。
これらの感想や意見を受けて、制作担当の報道部・船田興起ディレクターは、
- プロボクシングの新人王の7割以上は東京・大阪のジムに所属。広島のジムからでは相当難しいことがわかっていたので、目立ちたいだけでどこまで行けるのかという興味で取材を続けた
- ボクシングという種目は、好き嫌いがはっきりしているので、スポーツというより人間ドキュメントとして人を描いた
- カメラ取材は練習風景が中心になるが、基本的に反復練習なので単調になりがちで、画面にどう変化をつけるかに苦労した
- プロボクサーである以上、『獲っちゃる』でやっている。それは会長も同じ
- 番組としては、2年前タイトルを獲ったところが1つのタイミングだったが、その後の成長を描けたことで結果的にいいタイミングになったと思う
などとコメントし、活発に意見を交換した。
- <出席委員>
- 松浦雄一郎委員長・大野徹副委員長・山田知子委員・徳永修委員・荒木史子委員・石井宏和委員・村上栄一委員・大下洋嗣委員(順不同)