2024年9月18日(水)
【素朴な疑問シリーズ】Q.近視にならないための生活の工夫はありますか?
・近視になるとどうなるの?
「近視」になると、近くのものははっきり見えますが、遠くのものがぼやけて見えてしまいます。近視には、遺伝と環境の両方が関与します。遺伝要因とは、先祖や両親から受け継いだ遺伝子によって生じるものです。環境要因としては、屋外活動の減少や、近いところを見る作業の増加などが挙げられます。実際はどちらの要因によって生じるかという厳密な判断は難しく、人によって異なる割合で、両者がともに深く関係して近視になります。
・外で過ごす時間を増やしましょう。
今の子ども世代は、親世代に比べ明らかに近視が増加し、若年化しています。このような急激な変化は遺伝だけでは説明できず、環境が大きく関与しているという重要な証拠です。
近いところを見る作業以外に、世界共通で認識・信頼されている近視の原因には、「外遊び」の減少があります。日光に当たる外遊びが少ない子供は近視になりやすいことがわかっています。近視の予防には日光にあたり、外で遊ばせることが最も近道かつ確実な方法とされています。
実際いくつかの国では、学校の昼休みや休憩中に外で遊ぶことを義務付け、記録を付けさせているところもあります。近視がある子もない子も、1日2時間は外にいることが有効です。
晴れた日の広場では、たとえ帽子、またはサングラスを使用したとしても、室内に溜まることに比べれば、近視予防に十分な日光を浴びることができます。無理のない範囲で、外での活動を取り入れるようにしましょう。木陰で過ごす場合にもスマホなどを使わずに体を動かして過ごしましょう。
・近いところをみる作業では注意しましょう
近いところを見る作業はたくさんありますが、この作業が増えることで近視になる確率が高まるのは事実です。これまでの研究から、読書や書き物をするときは、少なくとも30cm以上離して作業をすること、30分に1度は遠くを見て連続させないことが、近視予防に効果があることが証明されています。読書や書き物をするときは、十分な明るさを保つ(照明度で200ルクス以上)ようにも気をつけましょう。
また従来から読み書き以外に、近くを見る作業として、手元で使用するスマホやゲーム機、タブレット、ノート型パソコンや、デスクトップ型パソコンなどがあります。最新の研究では、スマホや携帯ゲーム機器などの有害な点が指摘されつつあります。使い過ぎには注意が必要です。近視を重症化させないために、日常生活では生活習慣に配慮し、定期検診による適切な矯正指導や管理を受けるように心がけましょう。
◎出典元:公益社団法人日本眼科医会「気をつけよう!子供の近視」
(https://www.gankaikai.or.jp/health/57/index.html)を加工して作成
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