健康基礎知識

【素朴な疑問シリーズ】今一度確認したいインフルエンザ予防対策


冬は特に感染症に気を付けたい季節です。今年は、例年より早くインフルエンザが流行し始めたというニュースが流れています。備えあれば憂いなし。今一度、インフルエンザ対策を徹底し、健やかに年末年始を迎えましょう。
気を付けたい季節到来!インフルエンザ流行中

インフルエンザのウイルスにはA型、B型、C型及びD型と呼ばれる4つの型があり、その年によって流行するウイルスが違います。厚生労働省の発表によると、現在国内で流行しているインフルエンザのウイルスは、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型とB型(ビクトリア系統)です。罹患しやすい年齢層は、ウイルスの型によって多少の違いはありますが、今年も、子どもからシニア世代まで、年齢を問わずインフルエンザに注意が必要です。人によっては重症化する場合もあり、子どもはまれに急性脳症を引き起こす可能性もあります。正しく恐れながら日々の感染対策を徹底することが重要です。
身近にあるインフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は、飛沫感染と接触感染です。
飛沫感染とは、感染者のくしゃみや咳、つばなどからウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染する経路を指します。学校や職場など、人が多く集まる場所でよくみられます。
接触感染とは、物を介して感染する場合をいいます。例えば、感染者がくしゃみや咳を手で押さえ、その手で周りの物に触れてウイルスが付いた場合、別の人がその物に触ってウイルスが手に付着したまま口や鼻を触れば、粘膜から感染してしまいます。多いのは、電車やバスの吊り革、ドアノブ、電気のスイッチなどです。
子どもも大人も正しい手洗いでインフルエンザ予防を

インフルエンザの予防には、手洗いと、マスクの着用を含む咳(せき)エチケットなどが有効です。特に手洗いは、自分の手についたウイルスを除去するために推奨されています。特に、外から帰宅した後、食事前などには石鹸を使った正しい手洗いを心がけましょう。子どもの場合、簡単に済ませることが多い手洗いですが、根気よく身に付けて親子で感染症を防ぎたいものです。

以下、石鹼を使用した手洗いの方法を順にお伝えします。
①    流水で手を濡らした後、石鹸つけ、手のひらをこする。
②    手の甲を伸ばすようにこする。
③    爪先、指の間を念入りにこする。
④    指の間を洗う。
⑤    親指と手のひらをねじり洗う。
⑥    忘れがちな手首も洗う。

6つのステップで手洗いが終わった後は、清潔なタオルやペーパータオルなどでよく拭き取り、乾かします。タオルの共有はやめておきましょう。
プラスアルファのインフルエンザ対策で「かからない」「うつさない」

手洗いだけでなく、他にもインフルエンザの感染を防ぐ効果が期待される方法があります。
まずは、体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日頃から心がけましょう。適度な運動、睡眠、食事など、毎日を元気に乗り切る健康的なルーティンは、感染症予防に限らず心がけたいものです。また、乾燥を防ぐのも手段のひとつ。空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。室内では加湿器などを使い50%から60%の湿度を保つことも効果的です。さらに、こまめな換気も覚えておきたいポイントです。窓を一気に全開すると暖房で温めた室温が下がってしまうため、一方向の窓を少しだけ開けた常時換気がおすすめです。また、一般家庭用の換気設備や換気扇スイッチをオンにしておきましょう。2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されています。最後に、外出が多くなる師走ですが、人混みや繁華街へのお出かけを控えることも考えてみましょう。外に出る際は、ある程度の飛沫感染等を防ぐことができる不織布製マスクの着用も、防御策として考えられます。


どうしても避けられない場合もあるインフルエンザですが、一人一人が 「かからない」そして「うつさない」ことを意識してみませんか? 中学受験を控えている方、重篤な病気を抱えている方、妊婦さんなどが周囲にいるかもしれません。しっかり体調管理をして、元気に冬を乗り越えましょう。
<引用元>
・政府広報オンライン「インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200909/6.html
・厚生労働省「令和6年度インフルエンザQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2024.html#Q3
・厚生労働省「【令和6年度】今シーズンのインフルエンザ総合対策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/index2024.html

 
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