2017年2月14日(火)
「学校に行きたくない」と子どもが言い出したら…
子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、無理にでも行かせるべきか、休ませた方がいいのか、親としても戸惑うところです。どのように声をかけたらよいのか、教師の経験もある臨床心理士の野中春樹さんに聞きました。
まずは理由に寄り添う姿勢で
突然子どもが「学校へ行きたくない」と言い出したら、親として戸惑うのは当然です。しかし、単にその日だけ気乗りがしないのか、それまでのストレスが積み重なってついに限界を迎えたのかは、ケースによって異なります。学校まで送るなどひと押しすれば普通通り学校生活を送れる子もいれば、学校に踏み入れることさえできなくなる子もいます。
原因として多いのは、友人や先生とのトラブル、勉強や学校生活に興味が持てないなど。前日に友達とケンカをしたといった明確な理由があれば、それを解決すればまた問題なく登校できる可能性もあります。しかし不登校につながる場合の多くは、人間関係のコミュニケーションもうまくいかず、勉強にも意欲がわかず…など複数の要因が絡み合って、本人でさえ「なぜ行けないのか」理由がはっきりとわからないものです。
原因として多いのは、友人や先生とのトラブル、勉強や学校生活に興味が持てないなど。前日に友達とケンカをしたといった明確な理由があれば、それを解決すればまた問題なく登校できる可能性もあります。しかし不登校につながる場合の多くは、人間関係のコミュニケーションもうまくいかず、勉強にも意欲がわかず…など複数の要因が絡み合って、本人でさえ「なぜ行けないのか」理由がはっきりとわからないものです。
子どもから話しやすい親子の距離感を
子どもが気持ちを話してくれて、解決できそうなトラブルであれば、先生に相談するなどしてみましょう。しかし子ども自身も理由をうまく言えずに苦しんでいるようであれば、無理に聞き出したり、強引に解決策を探そうとしないことです。
多くの子どもは、自分でも「学校には行くものだ、行かなくちゃ」と感じているものです。しかし、それができなくてとても苦しんでいるし、自尊心も低くなっています。そこで親が責めたり追い詰めたりするような態度を取ると、子どもはますます傷つき、心の逃げ場を失ってしまいます。すぐには解決が難しそうだと思ったら、焦らずじっくり子どもに向き合い、子どもから話しやすい雰囲気づくりを心掛けてみてください。
多くの子どもは、自分でも「学校には行くものだ、行かなくちゃ」と感じているものです。しかし、それができなくてとても苦しんでいるし、自尊心も低くなっています。そこで親が責めたり追い詰めたりするような態度を取ると、子どもはますます傷つき、心の逃げ場を失ってしまいます。すぐには解決が難しそうだと思ったら、焦らずじっくり子どもに向き合い、子どもから話しやすい雰囲気づくりを心掛けてみてください。
ここに居ていいという安心感を
親が慌てて精神科やカウンセリングに連れて行ったりすると、子どもも焦ってより不安定になることがあります。現代は、通信で勉強したり、大検を取ったりと選択肢も豊富です。思い切って気持ちを切り替えて、美味しいものを食べに行ったり、一緒に過ごす時間を楽しむのも一つです。
そうした時間の中で、少しずつ話しができるようになれば、子どもは会話を通して気持ちが整理できることもあります。その時には親も「学校に行きなさい」と子どもに求めるのではなく、「お母さんは、勉強についていけなくなったり、お友達と遊べなくて寂しい思いをするかもしれないことが、心配なんだよ」と、自分の気持ちとして話してみましょう。
いざという時のためにも、日頃から何でも話せる親子関係を作っておくことは、とても大切と言えますね。
そうした時間の中で、少しずつ話しができるようになれば、子どもは会話を通して気持ちが整理できることもあります。その時には親も「学校に行きなさい」と子どもに求めるのではなく、「お母さんは、勉強についていけなくなったり、お友達と遊べなくて寂しい思いをするかもしれないことが、心配なんだよ」と、自分の気持ちとして話してみましょう。
いざという時のためにも、日頃から何でも話せる親子関係を作っておくことは、とても大切と言えますね。
- 野中 春樹(のなか・はるき) カウンセリングルーム 虹 室長
- 臨床心理士、広島工業大学学生相談室非常勤カウンセラー
広島なぎさ中学・高校で人間科・社会科を担当した後、広島国際大学大学院で実践臨床心理学を修了し、カウンセリングルーム 虹を開設。教職で子どもや保護者と関わってきた経験も活かし、 特に思春期の子どもをもつ親や先生の支援活動に力を入れている。
カウンセリングルーム 虹
広島市中区小網町7-2 安本ビル204号室
082-233-2557