2017年6月14日(水)
そろそろ反抗期?子どもへの対応に悩んだら・・・
子どもの成長につれ、反抗的な態度をとったり、荒れたような様子を見せたり、返事をしなくなったり「そろそろ反抗期かな」と思うことも。小学校高学年くらいの子どもを持つ保護者からよく寄せられる、子どもが反抗期を迎えた時の親の心構えについて、広島文教女子大学准教授で臨床心理士の浴野(えきの)雅子さんに聞きました。
子どもが自立する準備が始まったと喜べるように
0歳から2歳頃までの成長期を第一次成長期と言い、小学校高学年から中学生の頃を第二次成長(性徴)期と言います。ホルモンの変化によって、男の子は身体が大きくなり、女の子は丸みを帯びてくるなど外見の変化と合わせ、精神的にも不安定になり、自分でも制御できないイライラを持て余すことがあります。これは、生まれた時からプログラムされていた成長のスイッチが入るためで、本人にも親にもコントロールできるものではありません。
親としては、まずは子どもが自立して大人になる準備が始まったと理解し、ここまで成長して良かったと考えられると良いと思います。昔から、女の子の生理が始まったらお赤飯を炊いて祝ったのと同じようにイメージしてみてください。
親としては、まずは子どもが自立して大人になる準備が始まったと理解し、ここまで成長して良かったと考えられると良いと思います。昔から、女の子の生理が始まったらお赤飯を炊いて祝ったのと同じようにイメージしてみてください。
親も子離れの心構えをしていきましょう
子どもは成長に従い、世界が広がるにつれ、愛情の対象が親以外の友人や異性に移っていきます。こうした心の変化は“心理的離乳”とも呼ばれます。母親の場合は特に、自分が痛い思いをして生んだこともあり、子どもを所有物のように考えてしまう傾向があり、これまで「ママ、ママ」と甘えてきた子どもが、手を離れていくことに寂しさや戸惑いを感じることもあります。しかし、子どもが自立することは喜ぶべきことなので、親も“子離れの準備をする時期が始まった”と考えて、少しずつ子どもから手を離し、子どもを信頼し、少し距離を置いて成長を見守るようにシフトしていきたいものです。
また、思春期の揺れ動きの出方は子どもの個性や家庭環境によっても異なりますし、そのヤマがいつくるのか、落ち着くまでどのくらいの期間を要するのかは、百人百様です。兄弟や友人と比べることなく、一人ひとりの変化に向き合うようにしましょう。
また、思春期の揺れ動きの出方は子どもの個性や家庭環境によっても異なりますし、そのヤマがいつくるのか、落ち着くまでどのくらいの期間を要するのかは、百人百様です。兄弟や友人と比べることなく、一人ひとりの変化に向き合うようにしましょう。
上手にリフレッシュしながら気長に向き合って
とはいえ、親も人間です。子どもに反抗的な態度をとられると、イライラするし、腹も立ちます。けれども、自身が思春期のことを振り返ってみれば、悪気がなくても、どうしようもない苛立ちを持て余した経験がある人も多いと思います。自身もその時期を乗り越えた人生の先輩として、あまり振り回され過ぎず、ひと回り大きく構えることができるといいですね。
反抗期は、“親子関係の修正期間”であり、新たな“親子関係を創る時期”であるとも言われます。これまでの一方的に庇護される親子関係から、将来、大人同士の親子関係へとつながる架け橋やトンネル創りとなるでしょう。思春期の子どもによく見られるのは、親を拒絶してみたり、時には疲れて甘えてきたり、くっついたり離れたりの両面的な揺れ動きです。そうした不安定な状態にありながらも、意外と冷静な目で親を観察しています。少し極端な言い方をすれば、ここまでしても親が自分のことを見捨てないか、無意識で親の愛情を試しているのです。
子どもが思春期を迎える頃には、親世代も中高年に差し掛かり、仕事でのストレスや体力の低下で、心身共に疲れる時期です。それでも、子育てにおいて必要な“最後の責任を果たす時期”と考えて、親としてのエネルギーと愛情を振り絞って向き合っていただければと思います。
思春期には必ず終わりがきます。親も上手に息抜きやリフレッシュを取り入れながら、子どもと一緒に成長する気持ちで乗り切ってみてください。
反抗期は、“親子関係の修正期間”であり、新たな“親子関係を創る時期”であるとも言われます。これまでの一方的に庇護される親子関係から、将来、大人同士の親子関係へとつながる架け橋やトンネル創りとなるでしょう。思春期の子どもによく見られるのは、親を拒絶してみたり、時には疲れて甘えてきたり、くっついたり離れたりの両面的な揺れ動きです。そうした不安定な状態にありながらも、意外と冷静な目で親を観察しています。少し極端な言い方をすれば、ここまでしても親が自分のことを見捨てないか、無意識で親の愛情を試しているのです。
子どもが思春期を迎える頃には、親世代も中高年に差し掛かり、仕事でのストレスや体力の低下で、心身共に疲れる時期です。それでも、子育てにおいて必要な“最後の責任を果たす時期”と考えて、親としてのエネルギーと愛情を振り絞って向き合っていただければと思います。
思春期には必ず終わりがきます。親も上手に息抜きやリフレッシュを取り入れながら、子どもと一緒に成長する気持ちで乗り切ってみてください。
- 浴野 雅子(えきの・まさこ)
広島文教女子大学准教授 臨床心理士
日本心理臨床学会、 日本精神分析学会、日本精神分析的自己心理学協会、日本臨床心理士会 所属
精神分析研究、心理療法実践などを専門とする。広島文教女子大学心理教育相談センターの相談員、指導員も担当。 - 広島文教女子大学心理教育相談センター
地域に開かれた施設として,心の悩みごとに関する心理臨床的支援を行っています。
広島市安佐北区可部東1-2-1
TEL:082-814-5381