子育てアドバイス

難しい悩み?子どもの友達との金銭感覚の違い

夏休み真っ最中、小学校高学年くらいになると、子ども同士で出掛ける機会も増えるでしょう。そんな時いくらお小遣いを持たせるか悩んだことはありませんか?他にも、子どもの友達が遊ぶ度にお金を使い、自分の子どもが影響されるのが心配という声を聞くこともあります。子どもの金銭感覚の身につけ方について、ファイナンシャルプランナーの吉本隆さんに聞きました。

金銭感覚は家庭によって違うもの
 仕事柄、たくさんの家庭の家計や貯蓄の相談を受けますが、お金に対する考え方や価値観は、本当に様々です。まだ自分で収入を得たり、家計を管理することのない子どもの場合、金銭感覚はその親、その家庭の金銭感覚が反映したものと言えますので、相手方の考え方を変えるのは難しいし、介入できないことと考えておきましょう。
 その上で、例えば子どもだけでお祭りや買い物などに行く場合。普段決めているお小遣い以外に持たせるのなら、その家庭で妥当と思われる金額で充分だと思います。お友達がどれくらい持ってくるか心配ならば、仲の良いお母さんであれば「いくらくらい持たせる?」と尋ねたり、「XX円くらいにしませんか」と事前に相談して決めておくのもいいと思います。
 大事なのは、自分の方が多めに持っているからと安易に友達に何かを買ってあげたり、逆に友達に買ってもらったりしないように言い聞かせておくこと。そのようなことがあると、自分はもちろん、相手方の保護者の方も良い気分はしません。自分のお金が足りなければ、その範囲で我慢すること、逆にお友達より多ければ、お友達に合わせるように言っておきましょう。
自分の家庭の価値観を第一に
 小学校高学年くらいからよくあるのが、金遣いの荒い子どもとお友達になった場合の悩み。先に述べたように、子どもに多額なお小遣いを渡すのも、その家庭の考え方です。自分の家庭の考え方と違うなら、それに合わせる必要はないのです。
 その子が一緒に遊ぶ度に、コンビニで買い食いをしたり、トレーディングカードなどを購入し、同じことを強要してきたとしても、それが自分の家では非常識と判断するなら、「引け目を感じさせたらかわいそう」などと思う必要はありません。昔からよく言われる「よそはよそ、うちはうち」です。
 大人であれば、そんな無理をしなければ付き合えない友人とは付き合わなければいい、と割り切ることができますが、子どもには難しいこともあります。同じようにしないと仲良くしてもらえない、いじめられる、などと考えて悩むこともあるでしょう。そういう時は、子どもの気持ちをしっかり聞いた上で、わが家でのお金に対する考え方やお金の大切さ、そしてお金以上に大切なものについて、じっくり話し合ってみてください。
 ここをおざなりにしてしまうと、後に親の財布からお金を盗ったり、気が付けば友達からいわゆる“金づる”にされる、などの問題にもつながりかねません。お金の話はデリケートで、話しづらいこともありますが、金銭のやりくりは人間にとって一生避けて通れない問題です。高学年くらいになれば、ある程度理解できますので、お金に関する話ができるいい機会が訪れたと考え、話してみてください。今は全てはわからなくても、後に独り立ちして自分のお給料で生活をやりくりするようになると、理解できるはずです。
子どもの金銭感覚の身につけ方
 子どもに金銭感覚を身につける上で、決められたお小遣いの中でやりくりするのが有効と言われますが、これも家庭の考えに添って良いものです。毎月決められたお小遣いを与える、お手伝いなどの対価として与える、基本的には与えず必要な時に必要な金額を与えるなど、それぞれです。中には、外貨でお小遣いを渡して、早くから金銭や経済への興味を養う家庭などもあります。夏休みにおじいちゃんおばあちゃんなどからいただくお小遣いをどうするのか、子どもに管理させるのか、親が預かるのか、親が子どもの口座に貯金するのかも、家庭で決め事にしておくと良いでしょう。
 大切なことは、夫婦でよく話し合って、同じ考えで接すること。親が金銭に関して毅然とした態度を取り、しっかりと働いて金銭を得る姿や、家計をやりくりしながら買い物をしている姿を見せていれば、自ずと子どもにも身に付いていくものもありますよ。
吉本 隆(よしもと・りゅう) ファイナンシャルプランナー
FP、相続診断士
山口県出身。コンピュータ会社で10年勤務を経て金融の世界に入る。外資系金融機関で10年勤務した後、独立系FP会社を設立。主に顧客の資産形成、リスクヘッジを得意とし、家計・保険・貯蓄・資産運用・相続に関するセミナー講師も多数務める。二児の父。
(株)プルーデント・ジャパン・ファイナンシャル・サービス株式会社 広島オフィス
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