2017年11月13日(月)
子どもがイライラしたり荒れている時、どうする?
子どもがイライラしたり荒れている時、どうする?
小学校高学年くらいになると、思春期にさしかかることもあり、勉強、学校、家庭などのストレスで、子どももイライラしたり、荒れた態度を取ったりすることも。そんな時、保護者としてはどのように対応したら良いのでしょうか。広島修道大学健康科学部教授で学校心理士の西野泰代さんに聞きました。
まずは、そのままの子どもを受け入れて
児童期から青年期へと移行する頃の子どもは、第二次性徴期、第二次反抗期を迎え、保護者にとっては扱いが難しくなることもあります。子ども自身も、心身の変化にとまどっているのです。成長に伴って、視野が広くなるにつれ、自分のことも周囲のこともよく見えてきます。友達、兄弟姉妹、芸能人などと比べ、容姿や勉強、運動能力の差を感じ、理想と現実のギャップに葛藤することもあります。そういう時には、自己肯定感を持てなくなりがちなので、親としては気持ちをしっかりと受け止めて、そのままの本人を愛しているという思いを伝えられると良いですね。
何があっても、親は自分のことを見てくれる、信じてくれる、受け入れてくれるという安心感は、弱い心に負けそうになった時の歯止めにもなってくれます。逆に、子どもがマイナスの感情を出した時に、それに目を向けようとせず拒絶すると、家で押しとどめているマイナスの感情を外でむき出しにすることがあります。マイナスの感情を持つことを否定するのではなく、それをコントロールする術を学ばせることも、親の責任と言えるかもしれません。
何があっても、親は自分のことを見てくれる、信じてくれる、受け入れてくれるという安心感は、弱い心に負けそうになった時の歯止めにもなってくれます。逆に、子どもがマイナスの感情を出した時に、それに目を向けようとせず拒絶すると、家で押しとどめているマイナスの感情を外でむき出しにすることがあります。マイナスの感情を持つことを否定するのではなく、それをコントロールする術を学ばせることも、親の責任と言えるかもしれません。
自分の感情の変化に気づかせてみる
では、子どもが荒れた態度を取った時、どうするか。私のお勧めはハグしてあげることです。ハグしたり、手を握ったり、深呼吸させたりして、少し落ち着かせてあげる。そして、子どもが話せる状態になったら、「どうしたの?」「何かあったの?」「今、ちょっといつもと違ったね」などと話しかけてみましょう。子ども自身も、普段と、マイナスの感情を抱いた時との感覚の違いに気づくはずです。「よく気がついたね」と自分の感情に向き合えたことを認めた後に、イライラした原因を振り返らせ、解決できることであれば解決したり、見方や考え方を変えるアドバイスをしたり、一緒に気分転換するのもいいですね。「失敗した」「比較された」などの原因を書き出してみるのもいいです。自分の中にマイナスの感情があることを知り、どんな時にそれが発動し、どうしたらそれに折り合いがついたのかを考える経験を重ねることで、自分の感情との向き合い方を身につけていきます。
「悔しい」「悲しい」などの感情は誰しもが抱くものなので、マイナスの感情自体を否定しないこと。そうでないと、子どもはマイナスの感情を持つ自分を否定的に捉えてしまいます。同じように、カッとして物を投げた、人に手を上げたなど、他者を傷つけたり迷惑をかけたりする行為はしっかりと否定されなければなりませんが、本人の人格を決して否定しないことです。これは、子育て全般に関して重要なことですね。
「悔しい」「悲しい」などの感情は誰しもが抱くものなので、マイナスの感情自体を否定しないこと。そうでないと、子どもはマイナスの感情を持つ自分を否定的に捉えてしまいます。同じように、カッとして物を投げた、人に手を上げたなど、他者を傷つけたり迷惑をかけたりする行為はしっかりと否定されなければなりませんが、本人の人格を決して否定しないことです。これは、子育て全般に関して重要なことですね。
ママもリフレッシュやネットワークを活用して
とは言え、保護者も自分が忙しかったり、疲れていたりすると、ゆったり子どもの心に寄り添う余裕をなくし、子どもにつられてマイナスの感情がエスカレートしたり、頭ごなしに叱ってしまうことも。親も人間ですから、仕方ありません。そんな時は、「まだ親にぶつかってきてくれる」、「家で発散させてくれるだけ良し」と考えましょう。ただし、その時の感情だけに任せて、子どもに対する態度や許容範囲を変えるのは避けたいもの。ダメなことはダメ、間違ったことは許さない、という自分の中の善悪の価値観を揺らがせることなく貫く姿勢を持ちましょう。
親がストレスをためず、子どもよりひと回り大人のゆとりを持って接するためには、親自身にもリフレッシュが大切です。女性なら、ママ友達などとランチやお茶をしながら、ちょっとした愚痴を吐き出させてもらうのもいいもの。同じような子育て経験者なら、共感してもらえることも多いでしょう。「うちも◯◯で…」という話を聞いて、自分の家だけの問題ではなく、どこの子どもも同様であることを知ったら気が楽になったり、「こうしたら良かったよ」という話を聞いて参考になったりすることもあります。情報収集やリフレッシュを、上手に子育てにも活かしてみてください。
親がストレスをためず、子どもよりひと回り大人のゆとりを持って接するためには、親自身にもリフレッシュが大切です。女性なら、ママ友達などとランチやお茶をしながら、ちょっとした愚痴を吐き出させてもらうのもいいもの。同じような子育て経験者なら、共感してもらえることも多いでしょう。「うちも◯◯で…」という話を聞いて、自分の家だけの問題ではなく、どこの子どもも同様であることを知ったら気が楽になったり、「こうしたら良かったよ」という話を聞いて参考になったりすることもあります。情報収集やリフレッシュを、上手に子育てにも活かしてみてください。
- 西野 泰代(にしの やすよ)
広島修道大学 健康科学部 教授
博士(心理学)、学校心理士 - 広島修道大学
広島市安佐南区大塚東1-1-1
TEL 082-830-1102
広島修道大学臨床心理相談センター開設
乳幼児のことから高齢者のことまで相談できる地域に開かれた相談の場。自分についての悩みから、ストレスや対人関係のモヤモヤ、家族や子育ての心配、学校や職場、近所付き合いにおける日常生活の困りごとなど、さまざまな相談に対応します。
詳細は広島修道大学HP