2020年5月27日(水)
【子育て支援シリーズ】「こども食堂」って、どんなところ?
地域の子どもたちに無料や低額で食事や居場所を提供する民間発の取り組み。貧困家庭や孤食の子どもたちに食事を提供し、安心して過ごせる場所として始まりましたが、近年では対象を子どもに限定しない食堂も増加。近年、地域の人々をつなぐ地域交流拠点として急速な広がりを見せており、現在では全国に3700カ所近くあると言われています。
といっても、「こども食堂」に関して法的に定めたものはなく、そういう意味で正確な定義はありません。「ひろしまこども夢財団」では、「子供に無料か低料金(概ね300円以内)で食事を提供する非営利の活動であること」「食事だけでなく勉強や遊びを通じお互いに顔のわかる関係ができる“居場所”であること」という状況が確認できれば、目的や名称に関係なく幅広く「こども食堂」として捉えています。
Q.「こども食堂」の対象は?
「こども食堂=貧困家庭を支援するところ」というイメージを持っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、所得に関係なく様々な家庭が利用されています。地域の行事やこども会の行事がどんどん廃止され、社会の多様性に触れる機会が失われている時代に、「こども食堂」では、地域の大人と一緒に料理を作って食べて話をすることで、子どもたちが貴重な体験をすることができています。
経済的な理由により食事が満足にできていない子どもがいることは事実ですし、その支援は大切なことですが、それだけに限定して運営しても、子どもの貧困は全て親の責任とされる風潮が強い世の中では、周囲の目を気にして利用が困難になり、「こども食堂」がこれほど全国に広がることはなかったと思われます。
Q.「こども食堂」の利用者の満足度は?
●子育て中の忙しい親が、ごはんを作らなくてもいい日、宿題も見てくれる日が定期的にあることによって、ストレスから解放され、気持ちに余裕ができる。
●コンビニ弁当などを買い食いする「弧食」とは違い、大勢で手づくりの料理をおいしく食べることで、食への関心を持つことができる。
●子どもたちが、親以外の地域にいる色々な大人に接することで価値観や考え方の多様性を学ぶことができる。
●特に高齢者は、子どもと接するだけでうれしいという方が多く、手伝いなどをするとたくさん褒めてくれるので、子どもにとっては受容的な雰囲気の中で自己肯定感を伸ばすことができる。
●親同士の関係ができ子育てや仕事の悩みなどを共有できる場となっている。
●年齢の違う子どもたちが大人の見守る中で一緒に食事をし、遊ぶことができる貴重な場となっている。
●地域の大人と子どもがお互いの顔を覚えると、子どもたちは知っている大人の前で悪いことはなかなかできない。
●非営利の活動のため、原則的に寄付やボランティアで運営されており、利用する親子が地域の人々の善意を感じ愛着を持つことができる。
Q.「こども食堂」を運営しているのは?
「こども食堂」の多くは、地域のボランティアの方々に支えられている草の根の活動で、食材や会場などの経費も寄附やボランティアの方自身の負担でまかなわれています。(地域のボランティアの方々は子どもたちの成長を見守ることを生きがいに感じていることが多く、運営する側にとっても大切な居場所となっています。)また、社会貢献として、企業や社会福祉法人が社屋や事業所を地域に開放して開催するケースもあります。食事代として子ども1人あたり100~300円程度を徴収しているところもありますが、経費の不足を補うものであり、営利を目的にしていません。
Q.「こども食堂」は、大人も利用できる?
大人の利用については、それぞれの「こども食堂」によります。対象として、子どものみのところもあれば、保護者なら利用可のところもあり、また、大人だけでも利用可のところもあります。
Q.「こども食堂」は、どこにあるの?
広島県内で活動している「こども食堂」については、「イクちゃんこども食堂ネットワーク」(https://kodomoshokudou.wixsite.com/ikuchan)をご覧ください。